日本
書のひととき 中国書道史漫歩
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書のひととき 中国書道史漫歩
- 出版社
- 知泉書館
- 出版年月日
- 2025.05
- 価格
- \2,970
- ページ数
- 524
- ISBN番号
- 9784862854377
- 説明
- かたちと意味を合わせて表現する造形芸術である書道は,どのように生まれ,移り変わり,発展してきたのか。
本書は,書道家であり研究者でもある著者が,中国学の幅広い教養を背景に,出土資料や伝世作品を取り上げて,中国書道史を軽妙な語り口で描く150の物語である。
殷時代の甲骨や青銅器に刻まれた記号から始まり,秦の始皇帝による文字統一と標準書体の制定,木簡・竹簡・帛書から画期的な紙の登場に至る用具と書体の変遷,書聖と謳われた王羲之の名品の数々,北方騎馬民族の石碑に残る漢字への憧れの痕跡など,唐代までを対象に,新たな知見を書道史に吹き込む。
大英博物館や故宮博物院など各地において出土資料の実見や簡牘資料の研究を行いつつ,時にゴビ砂漠や敦煌へ直接パジェロを飛ばし,楼蘭に想いを馳せて,著者は文字を残した人物の経歴や書かれた歴史的経緯をも俎上に載せる。手本を写した肉筆文字の様相,筆の形状までをも見すえた論述には,書家としての鑑賞眼がきらりと光る。
漢字の成り立ち,文字の歴史を繙き,人間にとり記録とは何かを問いかける,刺激に満ちた中国書道史への招待。今では貴重となった現地調査の図版資料も多く収録する。