日本自社
孟浩然詩訳注
日本自社
孟浩然詩訳注
- 出版社
- 中國藝文研究會
- 出版年月日
- 2025.12
- 価格
- \4,400
- ページ数
- 293
- ISBN番号
- 9784892812170
- 説明
- 宋蜀刻本『孟浩然詩集三巻』(上海古籍出版社、一九八二年版)収載の二一一首について、その排列に従い、原詩および訓読(書き下し文)、詩型・押韻、題意、 語釈、現代語訳で構成する。(発売:朋友書店)
「後書き」より
孟浩然(六八九~七四〇)、襄州襄陽(現湖北省襄陽市) の人。開元十六年(七二八)、四十歳で始めて都長安に赴いて進士科を受験し落第。晩年、開元二十五年(七三七)、荊州に長史として赴任した張九齢の属僚となったのが、孟浩然にとって唯一の仕官生活であった。
孟浩然といえば隠逸詩人のイメージが定着しているようだ。王維や李白などの詩人たちが高く評価し敬慕していたのも、隠逸詩人としての孟浩然であった。確かに、自然の風物を描きながら、そこに静謐なる境地が窺える詩篇が特徴的である。ただ、「隠逸詩人の宗」と称された東晋の陶淵明とは、その隠逸の経緯に相違がある。陶淵明は、仕官と帰隠を繰り返すなかで自己の本性が仕官に不向きであることを悟り、「帰去来の辞」を著して致仕した後、隠逸生活を送るなかで詩を詠じた。一方、孟浩然には晩年に張九齢の属僚となったほかには仕官の経験はなく、隠逸生活を送りながらも仕官を願い続けていたことが陶淵明と異なる点である。
