日本
中國古代の淫祀とその展開
日本
中國古代の淫祀とその展開
- 出版社
- 知泉書館
- 出版年月日
- 2026.07
- 価格
- \6,050
- ページ数
- 324
- ISBN番号
- 9784862854643
- 説明
- 前書では睡虎地秦簡を主たる史料として,戦国秦の法治主義と占領下の在地社会の習俗の関係を論じたが,本書ではその睡虎地秦簡を副葬された墓主の文化的背景を論じている。秦の占領下にあった楚人社会の文化は楚文化とよばれている。そこで本書では,宗教関係の出土資料として有名な卜筮祭禱の記録を分析し,中原人から“淫祀”と譏られた楚国の占卜と儀礼の実態を具体的に検討した。
ここで言う淫祀とは,周王朝の礼制の範囲を逸脱して,「其の祭る所に非ずして之を祭る」諸国独自の祭祷を指して言う。したがって戦国楚簡に記された多くの祭祀儀礼は,“淫祀”といえる。しかし,そう表現するのも十分ではない。“淫祀”とはあくまで周王朝の礼制に立脚する側の評価であるから,“淫祀”と評価された楚の文化は“地域文化”としての“楚文化”である。
本書はそのような楚文化を体現していると思われる包山楚簡「卜筮祭祷簡」に着目し,その構造とシステムを解明し,さらに前後して出土した他の卜筮祭祷簡,および「視日」・「質日」などの諸曆譜,そして占卜書の「日書」が,楚文化のなかからどのように登場してくるのかを検討した。とくに「日書」について言えば,「日書」が副葬された墓主の大半は郡県の少吏層である。それを反映して「日書」には出張など官吏の公務に関する占いが多く含まれ,ここに戦国時代における楚国の郡県制・官僚制の発達が読み取れることも指摘する。
本書はヨーロッパ中世社会史の手法を意識した中国古代社会史研究の注目すべき試みである。
